母はがんで、余命6ヶ月と告げられていました。
一人暮らしを続けていた母を自宅に引き取ることができず、
これからの生活や介護をどうすればよいのか、家族で悩み続けていました。
退院にあたり、病院から
訪問介護を併設しているサービス付き高齢者向け住宅があると紹介されたのがきっかけです。
「できることなら、最後まで自分の家でおりたかったがです。
正直、ここへ来るんは迷いもありました。」
退院直後は、不自由ながらも歩くことができていたため、
訪問に来てくださったヘルパーさんに
「まだ大丈夫だから」と伝え、
サービスの利用を拒否してしまうこともあったと聞いています。
「2週間ほど経ったころやったと思います。
丁寧に対応してくれるし、
いつも気にかけて声をかけてくれる。
もっと早う世話になっとればよかったって、後悔しました。」
余命宣告から1年を過ぎた頃から、
口から食事をとることが難しくなりました。
その都度、ヘルパーさんは
日々変化する母の体調に合わせて、丁寧に声をかけながら介護してくださいました。
亡くなる3週間ほど前からは、目を開けている時間も少なくなり、
会話もほとんどできなくなりました。
それでもヘルパーさんは、
毎日、母の髪をきれいに整えてくださったり、
口に氷を含ませるなど、母の小さな希望を
一つひとつ大切にしてくださいました。
「若いころから、身なりには気ぃつけとったもんで。
最期まで、きれいにしてもろえて、
ほんまにありがたかったです。」
母は若い頃から、いつも身だしなみに気を配る人でした。
穏やかな時間を過ごすことができ、
家族だけではどうすることもできなかった場面を、
そっと支えていただいたと感じています。
最期まで母らしく過ごすことができ、
家族として「最後の親孝行ができた」と心から思っています。